国民文化研究所



朝鮮通信使をよみなおす/仲尾宏

朝鮮通信使をよみなおす――「鎖国」史観を越えて/仲尾宏

「鎖国史観」というのは、もう大体越えられているとは思うのですが、しかしながら当時の日本人の意識の問題として、「鎖国だろうが海禁政策だろうが、外部との交流がない」というのは事実なわけで、たとえ外からの文物が入ろうとも、結局はエキゾチックな感覚にすぎなかったのではないかと思うわけです。

むろん、18世紀前期の日本銅が世界の銅流通のかなりの部分を占めていたのは確かなのですが、経済的関係がそのまま客観的認識をもたらすわけではないという良い例であります。

やっぱり今日的な意味での外交関係を前提に考えてしまってはまずいんじゃないのかなぁと思うわけですよ。だって、朝鮮通信使を朝貢使節と思っていた日本人だっていたわけですから。

歴史を想起するのは、それ自体を目的としているというよりは、想起することによってもたらされる効果を目的としているのかもしれません。
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by kokuminbunka | 2006-10-19 09:32 | 哲学思想系著作 きょうの新刊
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