笠谷和比古(かさや・かずひこ)著 新潮社
本体1300円 20cm 250p (新潮選書 )
分類:210.5 件名:日本-歴史-江戸時代 05035723
4-10-603552-9 / 2005.07 対象:般
付:島原陣図屏風「出陣図」(2枚)
http://www.trc.co.jp/trc/book/book.idc?JLA=05035723
笠谷先生といえば、何は置いても『主君「押込」の構造』なわけでありますが、これが現在なかなかに手に入りにくい。図書館あたりでご覧いただければ幸いです。
まぁ、早い話が、近世日本の藩というのは、いわゆる中世的な領主専制体制ではなく、藩主は時には「押し込められる」ような存在であったのであり、その意味では、「おみこし」的リーダ像をそこに見いだすことが出来るということを、歴史的に明示しようとした労作であります。
しかしながら、ここで問題となりますのが、はたしてこのような近世武士社会における体制が、近代以降の日本においてもそのまま継受されたのか――さらには、このような体制が日本の特質であるのかということであり、この点は、今なおもって検討するに値することではないかと考えるわけです。
この点に関しては、またいつかお話しできればいいなぁと思わなくもなく。